「うわぁ…なんかすっごいやだ…」正直来るまでは意外と簡単に入れたりするんじゃない?
とか思ってた。…思ってたよ。ここに来るまでは。
ここがどこかって?
メイドカフェの正面なんだけどねまー意外にというかなんというかオープンな感じなんだね。
道路から中見えたりするし。道路からというか今オイラのいる位置からなんだけど。。。
まだ店内に入ってすらないんだけど、強烈に再確認したこと
本当にメイドがいるんだ話には聞くし、テレビでも見たことあったけど本当にこの目で見るとなると少し違った感じ。
…とこんな店の正面で中をジロジロ見てたらそれこそ危ない人だ。
憧れの先輩にチョコを渡せないでいる後輩の気持ちが少しだけ分かったよ
<危ない人確定よしッ!!もう入っちゃえ!!!ここまで来ればもう腹をくくるしかない。
若干気分が悪いけど、扉をくぐってしまえばなるようになるだろう!!
チリンチリーンメイド軍団「おかえりなさいませ!ご主人さま!!!」でたーーー!!!!!ほんとに言うんだこれって!!!
いやーもう軽いパニックで
「はい」とか言ってしまったし!!!
なにもうご主人さま気分なの?>オイラ
ちょこちょことワザとらしい走り方で寄ってくるメイドさん。
メイドさん「おかえりなさいませ、おひとりですか?」ふくろう「(じーーっ)」
目の前に立っている不思議な格好をした女の人に釘付けになってたメイドさん「ごしゅじんさま?」いきなりボディタッチしてくるメイドさん
ふくろう「のうっ!…え?はい。…はい?なにが?」
メイドさん「失礼しました。おひとりさまでよろしかったですか?」ふくろう「は、はい」
メイドさん「ご主人さま、お席にご案内しまーす!!」いちいち叫ばないで。恥ずかしいから。
メイド軍団「おかえりなさいませーーー!!!」すっごい帰りたいわーー○| ̄|_
案内されるがまま、店中央あたりのテーブルへ移動する。
メイドさん「あ、禁煙席でよろしかったですか?」ふくろう「どっちでもいいよ。吸わないけど」
メイドさん「かしこまりましたっ♪」テーブル選ぶだけでこんな疲れるカフェないだろ。
もう疲れた。あー疲れた。そして怖い。
メイドさん「こちらメニューになっております♪」ふくろう「へい…メニューとか案外普通なんだね」
メイドさん「え?」ふくろう「い!いやっ!なんでもない!」
メイドさん「本日のおすすめは、こちらのケーキセットになっております♪」ふくろう「ケーキね…はい」
メイドさん「それでは、ご用の際は鈴を鳴らしてくださいね♪」ふくろう「はぃ…はい!!??」なにを言ってるのこの人は。
というかオイラの聞き間違いに違いない、むしろそうでないと困る。
ふくろう「ごめん…な、なんて?」
メイドさん「こちらの鈴でお呼びつけ下さい♪」Σ (゚Д゚;)<現実逃避>
―拝啓、母上
どうやらあなたの息子の耳は正常だったようです。</現実逃避>
鈴で店員を呼ぶのがベーシックなことみたいに言いやがって。
だいたいなんだよ鈴って。鈴って…。
あ、そもそもメイドさんであって店員さんじゃないから鈴なのか???
オイラが思いこんでただけで、実は鈴で呼ぶほうがベーシックなのか?
壊れはじめる我が頭脳
ふくろう「鈴ね、わかった。ありがとう」
メイドさん「それでは、失礼いたします」丁寧に深々とお辞儀をして去っていくメイドさん。
完全にアウェイで取り残されたオイラ。
店の入り口からこのテーブルのわずか数メートルで色々と洗礼を受けた気がするな…。
もうお腹いっぱいなんで帰らせて…。
目の前には過剰装飾が施されたメニューに、素敵な
鈴。
ふくろう「…これで…頼まなきゃいけないんだよな…」
店に入ったことをうすーく後悔しつつ、メニューへと手を伸ばすふくろう少年。
これから先、まだまだ試練が続くことをこのときの彼は知らない…。
つづく